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除菌と殺菌

今回は乳酸菌の直接的なテーマからは少し外れますが、概念的なところでご理解をいただければと思います。

自然界にはさまざまな菌が存在していることが科学的に分かるようになってきました。そしてそれには、善と悪、2種類の役割があるということです。

最近では、悪とされる菌からの予防のために「殺菌しなさい」ということが強く叫ばれがちなのですが、少し前の時代には【除菌】というニュアンスで捉えられていた感じがします。ここでいう除菌は排除というよりも少しやわらかいイメージです。

手洗いを例に挙げますが、手洗いの定義として、良くも悪くも菌を洗い流す目的は最初にはありますが、たとえ菌が残ったとしても一部に集中して付着するのを防ぐために、手をこすることでそれを分散させるという意味合いがあるそうです。これは、手の皮膚表面にでさえ善悪2つの菌が存在しており、何も起きなければ、ちょうど良いバランスで保たれているというわけです。

ところが、殺菌を行ってしまいますと、善と悪2つの菌が死滅してしまうのです。体にとっては何も存在しない状態を作り出してしまうのですね。殺菌といってもそれは一時的であり、言うなればその場しのぎですから、時間が経てば多かれ少なかれまた新たな菌が付着します。その菌が善なら良いのですが、悪が多く来た場合には、そのままそれを受けてしまいますから防御もできません。悪循環の始まりですね。

殺菌に対しての菌の耐性が問題視されるのは殺菌しても死滅しなかった場合でしょう。善に耐性がついてくれればよいですが、悪だったら・・・ということですね。いずれにしても、異常が起きるときには何かのバランスが崩れるということだと思います。菌に関する事柄だけでなく周囲を良く見回してみると面白い発見があるかもしれませんよ。